メンタコのメンちゃんは、ちょっぴりシャイな男の子。
旅の途中、静かな散策路をのんびり歩いていました。
「今日は静かだなぁ…」
そう思いながら進んでいると、どこからか
「ママどこ〜?」という、“すすり泣き”が聞こえました。
メンちゃんは足を止め、耳を澄ませます。
道の先を見ると、小さな子どもが泣きながら立ちすくんでいました。
涙でぐしゃぐしゃの顔を見て、メンちゃんは胸がきゅっとなりました。

「どうしたの?」
声をかけると、子どもは小さな声で答えました。
「……ママがいないの。はぐれちゃったの」
その声は弱々しくて、今にも消えてしまいそうでした。
メンちゃんはゆっくり近づいて目線を合わせます。
「大丈夫。いっしょに探そう!」
子どもはためらいながらも、にっこり頷きました。
その笑顔は緊張と不安に溢れていましたが、どこか温かみのある笑顔でした。
ふたりはキャンプエリアに向かって歩きはじめます。
子どもは不安そうに辺りを見回し、何度も立ち止まりました。
そのたびにメンちゃんはやさしく声をかけます。

「大丈夫。ぼくがついてるからね」
鳥が飛び立つ音に驚く子どもに向かい、
「鳥さんも応援してくれてるのかもね」と笑うと、
子どもの表情がほんの少しゆるみました。
しばらく歩いたころ、遠くから女性の声が響きました。
「どこなの──!」
子どもはその声に反応し、顔を上げます。
次の瞬間、声の方向へ全力で駆け出しました。
「ママー!!」
女性は駆け寄ってきた子どもをぎゅっと抱きしめました。
「よかった…本当によかった…」
その姿を見て、メンちゃんは安心し、そっと帰ろうとします。
すると、小さな声で呼び止められました。
「まって…」
振り返ると、子どもが少し照れたように笑っていました。
「ありがとう。たすけてくれて」
その声は、森の風よりもずっとあたたかくて、
メンちゃんの胸にじんわりとしみ込みました。
「こちらこそ。一緒にいられてうれしかったよ!」
夕陽が木々のすき間から差し込み、森をオレンジ色に染めていきます。
メンちゃんは心の中の小さな温もりを思い出しながら空を見上げました。

「…ぼく、少しは強くなれたかな」
そっとつぶやくと、背中にやさしい風が吹きました。
メンちゃんは深呼吸をして、また新しい一歩を踏み出しました。
おわり✨


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