メンタコのメンちゃんは、ちょっぴりシャイな男の子。
湖でキャンプをしたあの夜から、心にひとつの夢がうまれました。
「いつか、空を飛んでみたいな。
そして、もっといろんな人と友達になりたいな。」
そう思ったメンちゃんは、ひとり旅に出ることにしました。
舞台は、広くて大きな大地――北海道です。

長い道を歩いていると、どこまでもつづく一本道。
メンちゃんはリュックをぎゅっと背負い、勇気を出して……手をあげました。
「ヒッチハイク、してみよう!」
しばらくすると、一台の車がゆっくりと止まりました。
「のるかい?」と笑顔で声をかけてくれたのは、森の動物たちみんなと友達の、歌が好きな青年。

車に乗せてもらったのはいいけれど、メンちゃんは緊張でいっぱい。
「なんて話せばいいんだろう……。もしかして迷惑だったかな……。」
胸がきゅうっとして、申し訳ない気持ちになりました。
でも、このまま黙っていたら、せっかくの出会いがもったいない。
メンちゃんは思い切って言いました。
「ねえ……いっしょに、空を飛んでみない?」

歌が好きな青年はびっくりして、少し迷ったように考えました。
でもすぐに、ニッと笑いました。
「おもしろそうじゃん! よし、やってみよう!」
その言葉に、メンちゃんの心はパッと明るくはじけました。
二人がやってきたのは、広い海と草原が見える高台。
青いパラシュートを広げて風に乗ると――
ふわり、ふわり。
メンちゃんと青年は、大空をすべるように飛び立ちました。
下には広大な北海道の景色、きらきら光る海。
風にのって笑い声が広がります。
「わあー!ほんとに飛んでる!」
「すげえな、空から見る景色!」
空の上で、二人はしっかりと友達になっていました。
その日、メンちゃんは二つの夢を叶えました。
――「友達をつくること」と「空を飛ぶこと」。
そして心にそっと思いました。
「旅って、すてきだな。また新しい出会いをさがしに行こう。」

✨おわり✨


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