創作短編物語第二作📗メンタコのメンちゃん おおぞらを飛ぶ

メンタコのメンちゃんは、ちょっぴりシャイな男の子。
湖でキャンプをしたあの夜から、心にひとつの夢がうまれました。

「いつか、空を飛んでみたいな。
 そして、もっといろんな人と友達になりたいな。」

そう思ったメンちゃんは、ひとり旅に出ることにしました。
舞台は、広くて大きな大地――北海道です。


長い道を歩いていると、どこまでもつづく一本道。
メンちゃんはリュックをぎゅっと背負い、勇気を出して……手をあげました。

「ヒッチハイク、してみよう!」

しばらくすると、一台の車がゆっくりと止まりました。
「のるかい?」と笑顔で声をかけてくれたのは、森の動物たちみんなと友達の、歌が好きな青年。


車に乗せてもらったのはいいけれど、メンちゃんは緊張でいっぱい。
「なんて話せばいいんだろう……。もしかして迷惑だったかな……。」

胸がきゅうっとして、申し訳ない気持ちになりました。
でも、このまま黙っていたら、せっかくの出会いがもったいない。

メンちゃんは思い切って言いました。
「ねえ……いっしょに、空を飛んでみない?」


歌が好きな青年はびっくりして、少し迷ったように考えました。
でもすぐに、ニッと笑いました。

「おもしろそうじゃん! よし、やってみよう!」

その言葉に、メンちゃんの心はパッと明るくはじけました。


二人がやってきたのは、広い海と草原が見える高台。
青いパラシュートを広げて風に乗ると――

ふわり、ふわり。

メンちゃんと青年は、大空をすべるように飛び立ちました。
下には広大な北海道の景色、きらきら光る海。
風にのって笑い声が広がります。

「わあー!ほんとに飛んでる!」
「すげえな、空から見る景色!」

空の上で、二人はしっかりと友達になっていました。

その日、メンちゃんは二つの夢を叶えました。
――「友達をつくること」と「空を飛ぶこと」。

そして心にそっと思いました。

「旅って、すてきだな。また新しい出会いをさがしに行こう。」


✨おわり✨

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