創作短編物語第3話📗メンタコのメンちゃん はじめてのシュート🏀

メンタコのメンちゃんは、ちょっぴりシャイな男の子。
旅の途中、北海道の小さな町へやってきました。

ある日、公園を歩いていると――
キュッキュ! シュッ!
元気な音が聞こえてきます。

子どもたちが楽しそうに、バスケットボールをしていました。

「楽しそうだなあ……ぼくも、やってみたいな」
メンちゃんはドキドキしながら近づいて、
「いれてもらっていい?」と声をかけました。

子どもたちはにっこり。
「もちろん! いっしょにやろうよ!」


ボールを手にしたメンちゃんは、思いきってゴールに向かって投げてみました。
ところが――

ぽとん。

ボールは、すぐ足元に落ちてしまいました。

もう一度。
ぽとん。

何度やっても、ぽとん、ぽとん。

子どもたちは優しく見守ってくれましたが、
メンちゃんの胸はだんだんしょんぼり重くなっていきました。

「ぼくには、むずかしいのかも……。」


あきらめようとしたけれど、
ベンチに座り、ボールをぎゅっと抱きしめながら考えました。

キャンプで友達ができたとき。
大空を飛んだとき。
どちらも、最初はこわかった。

でも、一歩踏み出したからこそできたんだ。

「……もう一回だけ、やってみよう。」

メンちゃんは立ち上がり、ひとりでこつこつ練習を始めました。


オレンジ色の夕日がコートを照らします。
メンちゃんは何度も何度も、黙々とボールを投げ続けました。

そこへ、子どもたちが戻ってきました。
「メンちゃん、がんばれ!」
「もうちょっとだよ!」

その声が、メンちゃんの背中をやさしく押します。

えいっ!

ふわりと飛んだボールは、大きな弧をえがいて――

コトン!

ゴールに入りました。


「すごい!」「やったー!」
子どもたちがメンちゃんのまわりに集まって、パチパチと手をたたきました。

メンちゃんの胸はあたたかくて、風船みたいにふくらんでいきます。

「努力したら……できるようになるんだね。」

その言葉に、夕焼け空もやさしくうなずくように、赤くきらめきました。


✨おわり✨

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