メンタコのメンちゃんは、ちょっぴりシャイな男の子。
旅の途中、北海道の小さな町へやってきました。
ある日、公園を歩いていると――
キュッキュ! シュッ!
元気な音が聞こえてきます。
子どもたちが楽しそうに、バスケットボールをしていました。
「楽しそうだなあ……ぼくも、やってみたいな」
メンちゃんはドキドキしながら近づいて、
「いれてもらっていい?」と声をかけました。
子どもたちはにっこり。
「もちろん! いっしょにやろうよ!」

ボールを手にしたメンちゃんは、思いきってゴールに向かって投げてみました。
ところが――
ぽとん。
ボールは、すぐ足元に落ちてしまいました。
もう一度。
ぽとん。
何度やっても、ぽとん、ぽとん。
子どもたちは優しく見守ってくれましたが、
メンちゃんの胸はだんだんしょんぼり重くなっていきました。
「ぼくには、むずかしいのかも……。」

あきらめようとしたけれど、
ベンチに座り、ボールをぎゅっと抱きしめながら考えました。
キャンプで友達ができたとき。
大空を飛んだとき。
どちらも、最初はこわかった。
でも、一歩踏み出したからこそできたんだ。
「……もう一回だけ、やってみよう。」
メンちゃんは立ち上がり、ひとりでこつこつ練習を始めました。
オレンジ色の夕日がコートを照らします。
メンちゃんは何度も何度も、黙々とボールを投げ続けました。
そこへ、子どもたちが戻ってきました。
「メンちゃん、がんばれ!」
「もうちょっとだよ!」
その声が、メンちゃんの背中をやさしく押します。
えいっ!
ふわりと飛んだボールは、大きな弧をえがいて――
コトン!
ゴールに入りました。
「すごい!」「やったー!」
子どもたちがメンちゃんのまわりに集まって、パチパチと手をたたきました。
メンちゃんの胸はあたたかくて、風船みたいにふくらんでいきます。
「努力したら……できるようになるんだね。」
その言葉に、夕焼け空もやさしくうなずくように、赤くきらめきました。

✨おわり✨


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