心が不安定で眠れなかったあの頃
20代後半の黒子は、今振り返るととても不安定な生活をしていました。仕事のストレス、偏った食生活、そして過去のお金の失敗による金銭的な不安。夜はなかなか眠れず、心臓がドキドキして落ち着かないことも多々ありました。30代に入る頃には、ついに軽いパニック発作を経験。通勤電車の中で息が詰まり、立っているのがやっとでした。
「どうして私はこんなに不安なんだろう」
そう自分を責めるばかりで、心を休める方法がわかりませんでした。そんな時、ある人が言ってくれた一言がきっかけでした。
「本、読んでみたら? きっと少し楽になるよ。」
半信半疑で始めた読書が、私の人生を大きく変えるきっかけになったのです。
そんな黒子を変えたのは“本との出会い”だった

最初は「気を紛らわせたい」という軽い気持ちで本を手に取りました。けれど、ページをめくるうちに、心の中に少しずつ静けさが戻ってくるのを感じました。
読書は、情報を得るためだけのものではなく、“心を整える時間”でもある――。そう気づいてから、私は毎日の生活の中で、10分でもいいから本を読む時間を作るようになりました。
読むことは、まるで心の呼吸を整えるような感覚。焦っていた心が、少しずつ落ち着きを取り戻していったのです。
心の安定を取り戻した2冊の本
①「ホ・オポノポノ」――自分を許すことで心が軽くなる
最初に出会ったのが、ハワイに伝わる癒しのメソッドを紹介した『ホ・オポノポノ』という本でした。
本の中に出てくる4つの言葉――「ありがとう」「ごめんなさい」「ゆるしてください」「愛しています」。
最初はただの言葉にしか思えなかったけれど、何度も心の中で唱えるうちに、不思議と胸の奥が温かくなっていきました。自分を責めてばかりいた私にとって、「ゆるす」という行為は新しい体験でした。
「自分を許すことは、心を軽くする第一歩。」
この言葉に何度も救われました。私は毎晩寝る前に、この4つの言葉を静かに唱えるようになり、少しずつ穏やかな眠りを取り戻しました。
②「嫌われる勇気」――他人軸から自分軸へ
次に出会ったのが『嫌われる勇気』です。この本は、アドラー心理学をベースにした対話形式の一冊で、「他人の期待に応えようとしすぎて苦しくなる人」に深く響く内容です。
私自身、長い間「人にどう思われるか」を気にしすぎて生きていました。でもこの本を読んで初めて、「他人の課題」と「自分の課題」を分けるという考え方を知り、目の前がパッと明るくなった気がしました。
“他人の評価”に揺れずに、自分の価値観を軸に生きる。これは簡単ではないけれど、少しずつ意識することで、確実に心が穏やかになっていきました。
読書は“心のトレーニング”
読書は一度で劇的に心を変えるものではありません。でも、繰り返しページをめくることで、少しずつ心の筋肉が鍛えられていくような気がします。
私は、読書を“心の筋トレ”だと思っています。最初は5分でもいい。無理のないペースで続けていくことで、心が少しずつ強く、柔らかくなっていくのです。
また、心の安定には「食事」「睡眠」「人とのつながり」も欠かせません。私は食習慣を改善してから、心の揺れも小さくなりました。身体が整うと、心も穏やかになります。
心が疲れているあなたへ伝えたいこと

心が不安定なとき、人はつい“何かしなきゃ”と焦ってしまいます。でも本当は、何もしない時間こそが必要なときもあるんです。
ページをめくる音、紙の手触り、文字の静けさ――そのすべてが、あなたの心を整えるヒントになるはずです。
あなたのペースで大丈夫。読書は競争ではなく、癒しの時間です。
今日から始める、心を整えるための小さな読書習慣
・朝や寝る前の10分、スマホの代わりに本を開く
・「ホ・オポノポノ」や「嫌われる勇気」を1ページだけでも読む
・気づいた言葉をノートに一行だけメモする
その小さな積み重ねが、確実にあなたの心を変えていきます。読書は特別な人のためのものではなく、どんな人にも開かれた“心の処方箋”です。
今日も、静かなページの中で自分と向き合う時間を作ってみてください。

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