大正池を初めて訪れた日のこと。
その日はあいにくの曇り空。青空の下で輝く水面を想像していたけれど、実際に目の前に広がった景色は想像以上に静かで、どこか神秘的な雰囲気に包まれていました。
池の向こうには焼岳がどっしりと構え、輪郭ははっきりと見えています。まだところどころに残雪が残っていて、夏へと向かう季節の移ろいを感じさせてくれました。曇り空だからこそ、雪の白さが一層際立ち、焼岳の存在感を強調しているように見えます。


一方で、穂高連峰は厚い雲に隠れがちで、うっすらとしか姿を確認できませんでした。はっきり見える日なら迫力ある景観が楽しめるのだろうけれど、この日は「雲に包まれた山々」という別の表情を感じられたのも印象的でした。


大正池の水面は曇天を映し込み、光の少ない柔らかな景色をつくり出しています。立ち枯れの木々が水面に影を落とし、どこか幻想的で、まるで時間が止まっているかのよう。華やかさではなく、静けさが心に染み入るような光景でした。
「晴れていないと楽しめないかな」と思っていたけれど、実際に訪れてみると、曇りの日だからこそ味わえる落ち着いた大正池に出会えた気がします。次はぜひ晴れの日の景色も見てみたい。そう思いながら、これから始まる日々にワクワクするメンちゃんと黒子でした。
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